僕は中学生くらいまで、大人しいとか、あまりしゃべらないとか、そんな暗い感じに思われていた。特に女子が苦手でほとんど会話した覚えがない。
あまりにも自己主張がないので女子たちから、「何考えてるのかわからない人」と、陰口を言われていた事も知っていた。でも何も言えなかった・・・
会話が苦手で、声がいつも小さくて、存在感が薄くて、いたの?なんて言われても下を向くことしかできなかった。
当時の僕は自分が大嫌いで、「なんでこんな暗い性格なんだ」といつも思っていた。
あれから大人になった今は逆に、周りから明るいとか、いつもニコニコしていて悩みなさそうとか、面倒見がいいとか言われる。今はなぜだか頼もしい人に思われているようだ。
でも僕が今のように思われるようになったのは努力したからではない。
自らのコンプレックスを隠すため。
過去の僕を知らない人は、まさかコンプレックスを隠し劣等感を持っているなんて誰も信じないだろう。周りからしゃべらないつまらない奴だと思われるのが怖くて仮面をかぶっているんだ。
誰かと話をしていて、途中で話が途切れるのはつらい。
だからそんな時は僕の方からなんでもいいから無理やり話すようにしている。
なぜなら、相手に「話が下手」だと思われたくないから。
ミーティングなどで誰も意見が出ないときは僕が手を挙げる。
なぜなら、議長に「話ができる奴」と思われたいから。
仲間といるときは僕が中心になって会話をするときが多い。
なぜなら、仲間に「よくしゃべる奴」と思われたいから。
「本当の自分」を隠すために明るくしている。
もうこれが癖になっていて、どっちが本当の自分かわからなくなる時がある。
良い事なのか自分にウソをついているのか・・・
でも一つだけ良い事がある。
それは、誰かが独りぼっちでいるとき、誰かが会話の輪に入れずに下を向いているとき、助けてあげることができること。みんなに気づかれずにさりげなく会話に入れてあげられる。
僕はそんな時、その人をほっとけない。だって「本当の僕」を見ているようだから。
自分がかわいいだけかもしれない。だけど「誰かを救うこと」は本当は「自分の事を救っている」のかもしれない、そう感じる。
僕はこれからも、「もう一人の自分」と向き合っていこうと思う。
最後まで読んで下さりありがとうございました!